LoRa(Long Range)は、長距離伝送を可能にする低電力広域ネットワーク(LPWAN)技術の一つです。 この技術は特にIoT(Internet of Things)デバイスのために設計されており、スマートシティ、環境モニタリング、 農業、エネルギー管理など、さまざまなIoTアプリケーションで利用されています。
LoRaの特長1. 長距離伝送能力:LoRaは長距離送信(2〜15km、環境による)が可能です。 2. 低電力消費:LoRaデバイスは非常に低い電力で動作し、バッテリー寿命を数年間に延ばすことができます。 3. 低データレート:LoRaは低データレートの通信に最適化されており、データ転送速度は比較的遅いですが、 センサーデータのような小さな情報量の伝送には十分です。 4.ライセンスフリーの帯域:多くの国では、LoRaはライセンス不要の帯域を使用しています。 5. セキュリティ:LoRaはエンド・ツー・エンドの暗号化を提供し、データのセキュリティを確保します。 6. スケーラビリティ:LoRaネットワークは数百から数千のデバイスをサポートできる設計になっています。
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通信方式 |
LoRa |
LTE-M |
推進団体 | LoRaアライアンス | 3GPP |
電波免許 | 不要 | 免許帯域利用 |
通信距離 | 2〜15km | 基地局設置エリア内 |
周波数帯 | 920Mhzなど | LTE帯 |
伝送速度 | 0.3〜50kbps | 300kbps〜1Mbps |
消費電力 | 低 | 中 |
モジュールコスト | 低 | 高 |
特長 | 自分でゲートウェイを設置でき、用途に応じた通信環境を構築できる。 | スマホエリア内で使える。ゲートウェイを自ら設置する必要が無い。 |
LoRa通信システムは、ゲートウェイ、ネットワークサーバー、そしてエンドノードという 三つの主要な構成要素から成り立ちます。
1. ゲートウェイ
2.ネットワークサーバー
3. エンドノード を収集し、LoRaを介してゲートウェイに送信します。 ・低電力で運用されるため、バッテリー寿命が長いことが特徴です。
この3つの要素が連携することで、LoRa通信システムは低電力かつ長距離での信頼性の高いデータ通信を実現して います。特に、広範な地域や難しい環境でのIoTアプリケーションにおいて重要な役割を果たしています。
弊社で提供するLoRaシステム弊社ではLoRa通信を最も生かすことができるマーケット向けにシステムを開発しています。
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株式会社GISupplyでは、日本でのLoRa元年ともいわれる2017年よりLoRa製品、システムの開発を行ってきました。今振り返ると、当初はどういったマーケットがLoRaに向いているかもよくわかっていませんでした。しかしここ2、3年(執筆時は2023年末)においては、はっきりと「このお客様においてはLoRa方式がベストである」というマーケットが明確になってきました。
【1】オーダーメイドの通信環境が必要なマーケット
LTE方式などと異なり、自分でゲートウェイを設置するのを煩わしく感じることもあるかもしれません。しかし実はLoRa方式最大のメリットはここにあります。エンドノードがLTE圏内外を行き来するような業務においては、LoRa方式が有効である場合が多いです。他のLPWA方式(省電力長距離無線方式)と比較しても、LoRaのメリットはユーザーが独自の通信環境を自ら構築できるという点にあります。
例1. 放牧牛の位置情報監視 弊社のLoRa放牧牛監視システム「うしみる」では、お客様導入時にまずゲートウェイを仮置きして放牧地全体の信号調査を行います。管理者の方はたとえば「午後2時には牛たちはこのへんに集まる」というような詳しい情報をお持ちです。そういった貴重な情報を加味した上で最適なゲートウェイの設置場所、個数などを決定します。他の通信方式では代替できないと感じているマーケットの一つです。
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例2. 延伸を伴う高速道路などの土木工事 LTEのカバーエリアなどを気にしながら土木作業を行うわけにはいきません。LoRaゲートウェイを作業車に乗せて移動したり、延伸に応じて自由にゲートウェイの設置場所を変えることにより現場毎にオーダーメイドの通信環境を構築します。ヒトとモノを同一ゲートウェイ、アプリで管理することができます。
例3. 離島での作業 島での土木作業などにおいてはLTE通信が充分に島をカバーしていない場合があります。離島での構造物建築などにLoRa方式は多く採用されています。また島で放牧牛を放し飼いのような形で放牧してているような場合にもLoRa方式は有効です。「朝に牛舎に帰って来るはずの牛が帰ってこない」や「牛が崖から滑落する」などの不安を取り除くのにもLoRa方式は有効です。
例4. 高速道路の維持修繕作業 高速道路ではLTEがカバーしてないエリアもあり、資材のリアルタイム監視にはこれまで通信の問題がありました。維持修繕作業は「通行止め」ではなく「車線規制」で行うことも多く、さまざまな規制、危険な状況の中で業務を行う必要があります。標識やコーンなどの資材は作業終了時に資材置き場に確実に戻さなければなりません。様々な制限がある中で視認による「資材戻し」確認には大変な時間を要してきました。作業車にゲートウェイをつみ、標識などの資材にLoRaトラッカーを取付けることで、容易に「資材戻し」確認作業を行うことができます。また高速道路補修作業ではヒトの安全確認も大きな課題となっていました。LoRaウェアラブルデバイスで作業員の位置や心拍確認、転倒時の駆けつけなどにも対応することが可能です。同一ゲートウェイ、アプリを使用し監視をします。
【2】エンドノードの電池が長持ちする必要があるマーケット
例1.放牧牛の位置情報監視 2023年12月現在、放牧牛用デバイスは30分ごとのデータ送信で、約5年間(環境による)電池がもちます。 LTE方式などでは牛が搭載しうるサイズでこのような省電力デバイスを開発するのには相当高い障壁があります。 大規模公共牧場では月に一度しか牛を集めることができないような場合もあり、充電済みの首輪に付け替えるこ とも容易ではありません。またWiFiやBluetoothなどでは広い草地で草を食む牛たちを管理することはできません。
例2.高速道路の維持修繕作業 標識など資材に付けたデバイスを頻繁に充電するのは実用的ではありません。
例3.近海での水質調査、波高調査 ブイに内蔵したセンサーで水質や波高を調査する場合、充電の為に頻繁にブイを回収することはできません。 LoRaゲートウェイは陸地や船に設置します。 海の場合、LoRa方式10km以上データ送信することも可能です(環境による)。
【3】高額な経費をかけられない業務
長距離長距離通信、省電力を実現しても、他の方式では費用が掛かり過ぎるためにLoRa方式を採用するケースも多い です。大きな費用をかけずに比較的高頻度に多くのエンドノードからデータをアプリに送信するような業務にはLoRa が向いています。 通信、省電力を実現しても、他の方式では費用が掛かり過ぎるためにLoRa方式を採用するケースも多いです。 大きな費用をかけずに比較的高頻度に多くのエンドノードからデータをアプリに送信するような業務にはLoRaが向いています。
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