カテゴリー: LoRa製品

  • 阿蘇に出張しました

    2025年12月15
    byノルドマルク

     

    阿蘇に出張しました_画像1

    阿蘇地区の「うしみる」を着用した放牧牛

     

    師走になり慌ただしい時期となりましたが、「うしみる」をご利用いただいている農家様を訪問させていただきました。弊社のある北海道上川地区では降り続ける雪がちょうど根雪(来春までとけない)になるタイミングです。九州はずいぶん暖かいのではと想像していましたが、阿蘇は北海道旭川市などとあまり変わらず、早朝は-6℃程度まで気温が下がります。少し寒いですがこちら阿蘇では黒毛や赤毛の牛たちがストレスのない環境で牧草を食んでいます。

     

    阿蘇地区に設置したゲートウェイ

     

    放牧地は広大ですが段差や谷もあり、ゲートウェイは平坦な北海道の公共牧場と異なり、より高密度で設置する必要があるように思います。LoRa信号調査を綿密に行い、より効率的なゲートウェイ設置を行うことが重要です。LoRa方式では、お客様がご自分の牧場に最適な通信環境を構築することが可能です。

     

    阿蘇から熊本まで、観光列車「かわせみやませみ」に乗車

    阿蘇から熊本まで、観光列車「かわせみやませみ」に乗車

     

    今回「うしみる」をご利用いただいている酪農家様に「使用感」などをおききしてきました。近日中に 「うしみる」サイト へ掲載する予定です。

     

  • 斉藤牧場のゲートウェイ取り外し

    2025年10月24日
    byリトルフィールド

     

    旭川市営牧場に続き、斉藤牧場も退牧の時期がやってきました。

    これからの降雪に備えてゲートウェイの取り外しを行います。

     

     

    この日の気温は最高6℃程度で、作業着1枚ではさすがに寒く感じました。

    ただ、去年の撤去日は11月で雪も降っていたことを考えるとまだ耐えられます。

     

     

    ゲートウェイやソーラパネル、バッテリー等は回収しますが組んだ土台はこのままにします。

     

    積雪で多少の歪みが出ることはありますがゲートウェイ設置に影響は無く、また来季にそのまま使用することが出来ます。

     

  • 旭川市営牧場も退牧の時期がやってきました

    2025年10月22日
    by ノルドマルク

     

    こちら旭川はここ23日急に冷え込み、今日の最高気温は6℃でした。旭川市営牧場の牛たちも農家さんのもと帰っていき、広い牧野に牛の姿はもう見当たりません。

    放牧牛の看視に重要な役割を果たしてきたLoRaゲートウェイも降雪に備えて取り外します。

     

    こちらでは1m以上の積雪がありますが、骨組みは来年のために残しておきます。また来年、元気な牛たちがこちらに戻ってくるのを楽しみにゲートウェイ回収作業をおこないました。

     

  • 北海道公共牧場会夏季研修会に参加しました

    2025年8月25日
    by ノルドマルク

    現地実習で旭川市営牧場に設置してある弊社の「うしみる」用ゲートウェイ

    (現地実習で旭川市営牧場に設置してある弊社の「うしみる」用ゲートウェイ)

     

    822日と23日と旭川で開催された「北海道公共牧場会夏季研修会」で発表してきました。

    初日は座学で「ヒグマによる家畜被害」や「野生動物対策の電気柵」などについて研修を受けました。北海道におけるヒグマ被害は毎年増加し、生息数は1990年の推定値が5,200頭(中央値)で2020年は11,700頭と倍増しているそうです。今年は特にヒグマの目撃報告が多く、私も2週間ほど前に釣りに行ったときに国道で体長1.8mくらいの熊を見かけました。私の車を見た瞬間に猛ダッシュで横の草藪ににげて行きました。私が釣りに出かける渓流で見かけるような熊は、牛、ひとをみかけると逃げていくような熊が多いです。怖いのは人との距離が近いところに生息している熊だと思います。また食料不足で鹿を捕食するような熊も恐ろしいと言えます。

    2日目は旭川市営牧場で、弊社の「うしみる」についての実習がありました。パドックで首輪を装着した牛を見学し、ゲートウェイからの通信距離や高活動量検知についてさまざまな質問を承りました。(→ 旭川市営牧場へのインタビューはこちら)

     

     

    当日は電気柵の説明や、6月くらいから悩まされることが多いアブ捕獲システムについても説明が行われました。

  • 鳥取県の牧場にゲートウェイを設置しました

    2025年07月31日
    by ノルドマルク

     

    放牧牛

    今年の北海道は経験したことのない猛暑ですが、こちら鳥取の夏は北海道とは比較にならないほどの暑さでした。太陽の光がまぶしく、湿度も低いですが焼けつくような暑さです。
    そんな中、鳥取県大山近くの牧場にゲートウェイを設置し信号調査を行ってきました。北海道では公共牧場への納品が多く、比較的平坦な地形の牧野で数百~2千頭の乳牛が飼育されているケースが多いです。弊社は鳥取、島根にもお客様が多いですが、こちらでは数十頭の肉牛が、起伏の激しい山地で飼育されていることが多く、ゲートウェイを最適な場所に設置し信号調査を行うことが大変重要です。

     

    ゲートウェイ設置

    ゲートウェイを山地でも小高い場所に設置しました。

    背後の立木をはさんで牛群はA群、B群に分けられています。A群の放牧牛を監視するのは容易ですが、立木背後のB群監視は非常に難しいと感じました。B軍のエリアは立木をはさんで、下り傾斜となっています。牧野の立木から離れた、放牧牛が集まる木の下では通信できることを確認しました。問題は立木裏の低い場所にある水飲み場です。こちらでは過去に近くで牛が脚を取られうごけなくなっていたことがあるそうです。

     

    水飲み場

    立木裏のがけを降り、水飲み場に到着しました。今年は渇水で雨が待ち遠しい状態です。

     

    通常信号調査を行う場合「うしみる首輪」で通信を試みるわけではありません。20分ごとの送信間隔ですので、信号調査を効率的におこなうことができません。LT-501Hという小型端末  を携帯し、効率的に信号調査を行います。

    「通信は非常にむずかしいのでは」との懸念がありましたが、牧野の面積が小さいため無事に通信を確認しました。

    牛

    信号調査は無事に終了し、来週には30頭あまりの肉牛に首輪がとりつけられます。

  • 関東の牧場でうしみるの設置を行いました

    2025年06月27日
    by リトルフィールド

     

    お問い合わせをいただき、うしみる(ゲートウェイ)設置のため関東の牧場を訪問してきました。

    元台風2号の影響もあってか、牧場内は半袖では若干肌寒いくらいの気温になっていました。

     

    牧野全体は広い&起伏が多く、今回は検証目的で少頭数の利用ということもあり1区画を対象としてゲートウェイ1台の設置を行います。

    (起伏が激しいと丘がLoRa通信の遮蔽物となってしまいます)

    関東の牧場でうしみるの設置を行いました

    設置箇所には単管パイプを埋め込み、そこにやぐらを組んでゲートウェイ、バッテリー、ソーラーパネルを配置します。

    放牧地内の設置となりますが、今のところこのやぐらが牛に壊されたことはありません。

    他牧場の話によると、最初はやぐらに興味を示して近寄って来るものの、そのうち特に気にすることも無くなるようです。

    ゲートウェイ設置

    ↑設置後

    ゲートウェイ設置後はLT-501H対象範囲の通信確認を行います。

     

    LT-501H

    LT-501H製品ページ

    この端末はデータの送信間隔を最小10秒に設定出来るため、歩きながら繋がりやすい、繋がりにくい箇所を特定することが出来ます。

    今回対象とした牧場の一部区域内ではおおよそ全ての箇所で通信を確認することが出来ました。

     

    現在うしみる首輪1号はキャンペーンを行っており、通常よりも安価にレンタルすることが出来ますので、お見積りのご相談や不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください!

  • 十勝地区の牧場でも入牧が完了したようです

    2025年06月23日
    by ノルドマルク

     

    牧場

     

    さわやかな春風が吹くヌプカの里ふもとの牧場にも、夏季放牧の時期がやってきました。士幌町の新田牧場様では弊社の「うしみる首輪」をご利用いただき5年目となります。LoRa方式ゲートウェイ3台を高所に設置しているため、広大な牧野にいる500頭以上の牛ともうまく通信を確保できています。本年から「うしみる首輪2号」をご導入いただき、高活動検知の実験にもご協力いただいております。

     

    牧場

     

    こちらの牧場では濃い霧で、目標の牛を捕獲に困難が伴うことがおおかったとのことです。まず朝一番で事務所のPCで目標牛(発情牛)の位置をおおよそ確認してから、牧野に向かうのが日課とのことでした。

  • 旭川市営牧場でも入牧の準備をしています

    2025年5月13日
    by リトルフィールド

     

     

    旭川市営牧場でもゲートウェイの設置を行いました。

    現地の事務所や牧場内には桜が咲いているものの、向かう道中の道路脇にはまだ雪が残っています。

     

    ゲートウェイの設置作業は足元の有刺鉄線に注意しながら行い、パイプの台座は冬季間そのままにしていましたが、特に大きく破損すること無く引き続き使用しています。

     

    昨年に引き続きこちらの牧場では高活動量検知システムの検証にご協力いただいており、今年は40頭程度の入牧になります。

    去年より少なくはなりますが、元気に牧野を歩く牛たちの姿を見るのが楽しみです。

     

  • 夏季放牧の準備をしています

    2025年4月23日
    by ノルドマルク

     

    今年になってから降雪が少なかった旭川周辺には、早めの春がやってきました。牧場は夏季放牧を1週間ほど前倒しするところもあり、こちら 斉藤牧場 も早めのゲートウェイ設置となりました。こちらは小高い山にある牧場ですが、冬の間パイプを利用した台座はそのままにしております。雪がソーラーパネルを設置する上部くらいまでの深さとなりますが、たいした錆もなく引き続き台座を利用します。

     

    パイプ打ち込みなど台座組の作業が無いので、ゲートウェイ組上げは2人で30分強で終了します。こちらでは4月末から10月末までの6カ月間の夏季放牧となります。あと1週間で、草を食み高低差のある草地を元気に歩き回る牛たちの姿を確認できるはずです。

     

     

  • 今年は春が早そうです

    2025年2月3日
    by ノルドマルク

     

    生まれてこの方、こんなに暖かい1月を経験したことがありません。雪もこれだけ少ないのは記憶がありません。積もっている雪も湿度が高く、まるで関東近辺でたまにふる雪のようです。地球温暖化が着々と進み、今の子供たちが大きくなるころには旭川近辺のスキー場の営業期間は、はるかに少ないものとなっているでしょう。秋にサケの遡上などの光景も全く見られなくなってしまうかもしれません。現に10年前くらいまでは知床のウトロ漁港なんかを真っ黒にうめていたカラフトマスは、すっかり姿を消してしまいました。道外から旅行に来られる方も、フグは今や北海道が日本一の漁獲高を誇ることをご存じないようで、旅館などで夕食時にでるとがっかりされることもあるそうです。

     

    ushimiru_rental_2025cp

    この暖かさだと、農家様から公共牧場への入牧時期も早まるかもしれません。弊社では本年度より「うしみる首輪1号」を1頭あたり2,200/月(税込み)でお貸出しすることになりました。

    10 頭からご利用可能で、本価格には以下が含まれます。

    ・「うしみる首輪1号」 頭数分(10頭~)

    LoRaゲートウェイ 1

    ・ゲートウェイからのLTE通信費

    ・「うしみるアプリ」利用料

    *本レンタルは日本国内のみ対応

     

    また今年は「うしみる首輪」ご注文が多く、100台を超えるご注文の場合夏季放牧に間に合うかどうか微妙な状況です。ご購入検討のお客様は早めにご連絡お願いいたします!

  • 斉藤牧場のゲートウェイを取り外しました

    2024年11月7日
    by ノルドマルク

     

    斉藤牧場は旭川にある民間牧場で、公共牧場と異なりこの辺りでは夏季放牧が最も長くおこなわれる牧場の一つです。こちらの牧場は1947年に開拓団員の一人が割り当てられた岩山を切り開いて作った牧場です。牛たちは大自然の中で生活し、アニマルウェルフェアの達成度が最も高い民間牧場のひとつです。北海道としては最も長い夏季放牧期間を経た牛たちも、首輪がはずされゲートウェイ撤収の時期がやってきました。

    晴れの天気予報にも関わらず、急に雪が降ってきました。

    山を登り降りしていた牛たちが全くいなくなり、雪が積もった草地は寂しいものです。

    かなり雪が積もりますが、骨組みだけは残しておいてもだいじょうぶです。また来季も元気に草を食む牛たちの姿を見るのが楽しみです。

     

  • 旭川市営牧場のゲートウェイ取り外し

    2024年10月23日
    by ノルドマルク

     

     

    こちら旭川市営牧場も秋が深まり、ご覧の通り牛たちは全くいません。夏季放牧期間が終了しすべての牛たちが農家に帰っていきました。

    公共牧場により冬の間もゲートウェイを取付けたままにしている牧場も多いですが、こちら旭川市営牧場では、すべての牛が退牧した後にゲートウェイとアンテナ、ソーラーパネルを取り外します。旭川市営牧場は江丹別地区にあり雪は旭川市内より多いですが、台座はそのままにしておいて翌年そのままゲートウェイを取付けています。取付け、取り外しに1時間もかからないような作業です。

    元気に草を食んでいた牛たちがこの広い草原にまったくいなくなると、少し寂しい気持ちになります。来年の入牧時期が待ち遠しくもあります。

     

     

    ★「うしみる」専用サイトはこちら
    https://www.ushimiru.com/

     

  • 退牧の時期がやってきました

    2024年9月30日
    by ノルドマルク

     

    5月下旬に入牧してきた牛たちですが、退牧の季節がやってきました。ここ旭川市北部にある牧場では、短い夏を広大な草地で過ごした牛たちが酪農家の元へ帰っていきます。5月下旬から10月上旬と4カ月間ちょっとの期間でしたが牛たちは一回り大きく、足腰も強くなったように見えます。

     

    弊社ではこちらの牧場で4カ月間、発情検知の実験をさせていただきました。この牛たちにしばらく会えないと思うと、少し寂しくもあります。

     

  • 「うしみる」専用サイトを開設しました

    2024年9月25日
    by ノルドマルク

     

    放牧牛

     

    こちら旭川市周辺は冷え込むようになり、朝は6℃程度で暖房も恋しい季節となってきました。公共牧場の一部ではすでに10月上旬ころには牛たちの退牧が始まります。弊社では今夏もひたすら牛の活動量変動検知、動態判別に時間を費やしてきましたが、徐々に海外からの引き合いが増えてまいりました。マレーシアのIT企業にはまとまった数の「うしみる首輪」を納品させていただきました。

    弊社ではこれまで「うしみる」製品について、LPWA製品全般を扱うトラッカーサイトにてご案内してまいりました。しかし海外のお客様からの引き合いも増えてきたため、このたび「うしみる専用サイト」を開設する運びとなりました。専用サイトでは、「うしみる」についての新機能開発状況、お客様事例などをこれから掲載していく所存です。「うしみる」により酪農家の日々のご負担が少しでも軽くなり、アニマルウェルフェア向上にいくばくかの貢献ができれば幸甚です。

     

    「うしみる」日本語サイト
    https://www.ushimiru.com/
     

    「うしみる」英語サイト
    https://www.ushimiru.com/english/
     

     

  • ネプコンを見学してきました

    2024年9月9日
    by ノルドマルク

     

    幕張メッセで開催された、ネプコン・ジャパンを見学してきました。本展示会は製造装置や材料、電子機器の展示会で、弊社と取引きのあるお客様が関連製品を展示されているため訪問しました。

    今回訪問したのは発電技術を展示されている東海理化様です。

     

    今回は弊社の放牧監視システム「うしみる」で使用されている「うしみる首輪」でのナノチューブ発電技術の利用です。放牧牛監視で最大のハードルは「電池のもち」です。データ送信間隔にもよりますが最低でも6カ月はデータ送信し続けなければなりません(現在の「うしみる首輪2号」では5年間利用可)。現場での実証実験が必要ですが、この技術が利用可能になれば、今まで最も難しい課題のひとつであった、希少野生動物の追跡などにも利用できると思います。

     

     

    さまざまな展示会でお見かけするソラコム様もSoracom Airの顧客利用例など展示されていました。

  • 「うしみる首輪」のフィット感

    2024年 8月 7
     by ノルドマルク

    「うしみる首輪」は装着後、個々の牛の活動量を学習します。学習終了後、放牧牛ごとに活動量の閾値を設定し、その閾値を超えると活動量増加アラートを発報します。前にも書きましたが活動量を学習するためには、首輪のフィット感は非常に重要です。首輪がゆるいとどうしても誤発報につながってしまいます。

    2023年に実験を開始した時には端末は首右側上部で固定し、錘をつけ何とか端末が移動しないように実験を続けていました。しかし牛舎飼いの牛と異なり放牧牛の活動範囲・可動領域は広く、端末もGPSモジュールを搭載しているので厚みもあるため端末の首上部維持は困難を極めました。そこで今年は錘を使わず端末の顎下固定で、上部固定と同じような結果を得ることができるよう実験を続けています。

     

    放牧牛に首輪を装着する際には必ずゲージに追い込みをかけ、一頭ずつ安全に首輪を装着、点検します。こぶしがぎりぎり入るようなフィット感で首輪を装着しますが、ゲージから出して違う姿勢で牛を確認すると「あれっ?きつすぎる?」というようなことが多々あります。この辺は日々放牧牛を観察されている管理者と相談しながらすすめています。アラート誤発報の可能性は様々で、運用で補うことができるものもあれば、そうでないものもあります。

    ・首輪のゆるみ

    ・学習期間中に牛をゲージ内にある程度の期間留め置きした

    ・豪雨などの悪天候が続いた

    ・首輪装着前に電源を入れ、倉庫などで保管していた

    ・高低差の激しい岩山のような場所にある牧場

     

    極端な地形への対応はアルゴリズム変更が必要なのか調査中です。

  • 斉藤牧場で「アニマルウェルフェア」について考えてみる

    2024年 7月 31
     by ノルドマルク

     

    7月24日、私の自宅近所の旭川市江丹別では24時間降水量が200㎜を超え、観測史上最大でした。農道の閉鎖などもあり、市内では高速道路も閉鎖しJRの特急も運休などがありました。そんな土砂降りの日に、当初から予定していた東京からの研究員の方が市内の斉藤牧場見学に来られました。

    斉藤牧場は1950年代に山形市から旭川開拓団に加わった斎藤晶氏によって切り開かれた牧場です。牧場といっても当初は笹だらけの岩山だったそうです。面積は130haで東京ドーム28個分にあたります。この起伏の激しい牧場で牛たちは早朝と夕方に牛舎に戻ります。この大雨警報が発表された早朝も牛たちはリラックスした様子で、牛舎内で搾乳の順番を待っています。私たちが近づいても特に警戒する様子はありません。

     

    斉藤牧場では雌牛は生まれて2年以上たったのち、自然の中に放たれた雄牛と自然交配を行います。雄牛は2頭飼育されています。通常弊社では社員が牛に近づく場合(特に雄牛)、けがなどしないよう細心の注意をはらうよう指示しています。ところがこちら斉藤牧場では、雄牛に近づき「うしみる首輪」の締め直しを行っても、雄牛はおとなしくしています(上記写真)。

    発情、妊娠、出産、搾乳、乳量調整など人間の希望するスケジュールで管理されていないせいか、斉藤牧場の牛は明らかにリラックスして日々を過ごしているように感じます。斉藤牧場の牛は大変寿命も長いとのことです。

     

    早朝の搾乳を終えた牛たちもさすがに記録的な大雨で驚いたのか、草地に向かう足が今日は大変重いようです。

    牛がかろうじて通れるような細道も牛たちは、お構いなしに突き進んでいきます。広大な牧場の中にところどころ小川が流れ、小さな水たまりも点在しています。

     草を食み、反芻し、横たわり、小さな池で水を飲み搾乳のため牛舎に戻る。こちら斉藤牧場では今日のような記録的豪雨の日でも「自分たちなりの」行動様式で、日々ストレスとは無縁な生活を続けています。牛たちは自由に生活しているように見えますが、広大な山地牧場の急勾配で足を滑らせ、命を落とす牛もいます。誕生から死を迎えるまで、牛たちの行動要求にそった飼育方法・・・こちら斉藤牧場では真のアニマルウェルフェアが実践されていると感じます。

     

  • 代替内蔵サーバーのご紹介

    2024年07月10日
    by リトルフィールド

     

    Kerlink社のSPNが 2024/9/30 をもってサポート終了となり、内蔵ネットワークサーバーの代替として今後は

    ・ChirpStack

    ・Actility TAO

    2種からお選びいただくこととなります。

     →【Kerlink社のSPN提供、サポート終了に関する詳細はこちら】

     

    そもそもLoRaで言う所のネットワークサーバーとは、各デバイスの情報をゲートウェイから受取り、ログ表示や別サーバーへとデータを転送出来るサーバーのことです。

    TTSAWS等のその他多くのネットワーク上で構成されているサーバーとは違い、SPNと今回の代替サーバーは内蔵となっているため同じネットワーク内にいなければゲートウェイに接続することが出来ず、手間の反面セキュリティが強いとも言えます。

    また、定額制や従量制が多い中でSPNKerlink社ゲートウェイに対して無償の提供だったこともあり過去多くインストールされてきました。

    では現在使っているSPNはどうなるのか?という話ですが、ライセンス発行済みで既に導入されているお客様は引き続き利用可能ですので変更しませんか?と無理に弊社から連絡をすることはありません。

    不具合の発生についてはサポート対象外とはなりますが、再インストールのみ対応可能です。

    しかし、SPNのセキュリティやLoRaWAN仕様は古く、不具合(最初のアップリンクにsend dataでダウンリンクは送れない等)も残っているので、代替ネットワークサーバーへの乗り換えも視野に入れたほうが良いかもしれません。

     

    下記でご紹介する2種類の代替ネットワークサーバーもSPN同様内蔵になっており、SPNと同等またはそれ以上の使い方をすることが可能です。

     

    ■ ChirpStack

    [メリット]

    ・インストール無償

    ・デバイスをグループ毎に分けて転送先を設定可能

    ・アップリンク、ダウンリンクはページ上でリアルタイムに反映するのでページ更新の必要無し

    ・オープンソースのため、利用者&情報量が多い

    PostgreSQLNode-REDHTTP REST API等の追加インストールが可能

    ChirpstackPostgreSQLNode-REDHTTP REST APIの動作についてはメーカーサポート対象外となります

     

    [デメリット]

    ・プロファイル(OTAA or ABPRegionMAC version)を自分で作成する必要有

    ・若干複雑なGUI

    ・受信ログを見られるのは送受信含めて10件まで

     

    ■ Actility TAO

    [メリット]

    ・シンプルでわかりやすいGUI

    ・デバイスリストが用意されているので、デバイス登録が簡単(デバイスリストに無い機種ももちろん登録可)

    ・メーカーによる1年間の動作サポート

     

    [デメリット]

    ・インストール有償(買い切り)

    ・転送先、ダウンリンクコマンド送信はActility TAO外で設定必須(Node-RED)

    ・受信ログを見られるのは送受信含めて10件まで

    ・最新の受信データ確認にはページ更新が必要

     

    簡単にまとめると、

    ChirpStack:自由度は高いが若干複雑

    Actility TAO:シンプルでわかりやすいが自由度が少し低い

    というのがどちらも実際に機器を接続し、検証した感想です。

     

    ChirpStackActility TAOともに受信ログが10件までとSPNに劣る点はありますが、どちらも、最新のLoRaWAN仕様に準拠し多数のインターフェース(MQTT HTTP Websocket Modbus BACNet PostgreSQL…)に対応している上位互換です。 

    また、SPNと代替ネットワークサーバーでは転送先に対する形式が異なるため、すでにアプリケーションサーバーにSPNから転送を行っている方は代替ネットワークサーバーに切り替えた際に再構築が必要になります。

    ただ、Node-REDSPNと同様の形式となるような設定は可能です。

     

    最後に、ABPで同じ端末を登録して受信したデータの表示を並べてみました。

    (一部表示は加工で消去しています)

    ChirpStack

     

    Actility TAO

     

    ゲートウェイご購入や、SPNからの移行にお悩みの方はぜひご相談ください!

  • 発情検知の実験をつづけています⑥

    2024年 7月 22
     by ノルドマルク

     

    それぞれの牛に取付けた「うしみる首輪」は、装着後に学習を開始します。したがって学習期間は通常の放牧時と同じような環境で牛は行動している必要があります。電源を入れた後に倉庫に「うしみる首輪」が放置されていたり、電源をオンにして牛がつなぎ飼いの状態では、正しいアラートが発報されません。

     

     

    端末の取付は上図の通り、電源ボタンが右耳方向に顎下に取付ける必要があります。実験牧場でも逆向きに装着されているものがあり、こちらで検知でき後で装着向きを変えていただきました。また首輪にゆるみがあると誤発報の原因となります。この辺の「装着フィット感」がむずかしいところではあります。

     

    各牛の各動態に費やした単位時間あたりの秒数、その日の動態別累積秒数なども表示されます。このあたりの精度も現地で牛の動態をビデオ撮影か筆記で記録し、端末から送られてきたデータと答え合わせをしなければなりません。

     

     

    7月も中旬となってきましたが、2023年から続けてきた実験もまだまだ「やり残し」があります。「放牧牛の動態判別、発情検知」という難しい課題ではありますが、牧場での実証と課題の発見、現場からのご要望をシステムに反映することが重要と感じています。引き続き実験牧場にご協力いただき、精度を高めていく所存です。

     

     

    発情検知実験を続けています①はこちら

    発情検知実験を続けています②はこちら

    発情検知実験を続けています③はこちら

    発情検知実験を続けています④はこちら

    発情検知実験を続けています⑤はこちら

     

     

     

  • 発情検知実験を続けています③

    2024626日
     by ノルドマルク

     

    放牧牛端末の電池問題を何とか解決し(発情検知実験を続けています①)、加速度センサーからのデータ量が十分であれば高精度で動態判別できる (発情検知実験を続けています②)ことがわかりました。端末にシゴトをさせて発情を検知するという方針も固まりました。

    2023年春には発情検知対応の端末も準備でき、実際に放牧牛に装着し実験できることとなりました。アルゴリズムが正しいかどうか確認するためには二つの方法が頭に浮かびました。

     

    ①つなぎ飼い用の発情検知端末からくる通知と比較する

    ②牧場の担当者から各牛の発情日時を後日教えてもらう

     

    ①の方法ですが、つなぎ飼い牛用の発情検知端末は十分に高い精度で発情を検知できるということはわかっています。1頭の牛に「うしみる端末」とつなぎ飼い用端末の両方を取付けて、比較しつつ精度をあげていこうという考えです。たださまざまな限界も浮かびあがってきました。まずつなぎ飼い牛用端末は「うしみる」のように通信方式としてLoRaを採用しているわけではありません。牛舎に非常に近い場所などに制限して放し飼いするとしても、牛の行動範囲が著しく制限されます。牛の活動量も北海道の広大な牧場で活動する牛とは大きく異なるでしょう。また1頭の牛に二つの端末を取付けるため重量が増し、それぞれの端末が正しい位置から移動し加速度センサーの3軸ずれてしまうこともあります。

     

    ②は実験協力牧場にタイムリーに人工授精を行った日などご連絡いただく方法です。端末の発情検知アルゴリズムと実際の「正解」が合致しているか、試験の答え合わせをしているような心境が毎日続きます。

     


    発情検知実験を続けています④に続く


    発情検知実験を続けています①はこちら

    発情検知実験を続けています②はこちら

     

     

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