いよいよ夏季放牧が始まります!

2023年5月19日 
by ノルドマルク

 

雪解けの遅い旭川北部の牧場にも、牛たちの入牧の季節がやってきました。5月末の入牧に向けて、牧場作業の方々は柵の補修など放牧場の準備のため、忙しく作業をされています。

弊社ではこちらの牧場に、LoRaゲートウェイを設置してきました。本年11月まで70頭の放牧牛をモニタリングする予定です。

弊社の放牧牛管理ステム「うしみる」をご利用いただく場合、機器をお送りしてすぐに「じゃあ始めましょう」ということにはなりません。まず第一歩は牧区割図などをいただき、Google Earthなどで遮蔽物や標高なども考え、どこにLoRaゲートウェイを設置するか、机上でだいたいの「あたり」をつけます。電源は取れないとしても、まずはLTE電波が届くエリアで「あたり」をつけます。牛>ゲートウェイはLoRa通信ですが、ゲートウェイ>サーバーはLTE通信でデータを転送します。

おおよそ「あたり」をつけたら、下見に行きそこから放牧されるであろう牛たちまで、視通線が取れそうかどうかまず考えます。電源が取れない場合、ソーラーパネルが木々に遮閉されないかなどにも注意を払います。「ここでよさそう」となって、初めて機材持込の日時などを決めます。

 

作業当日は単管を打ち込み、骨組みを作りチャージントローラーなど雨に弱そうなパーツなどはケースに収納します。現場にもよりますが、ここまで2時間程度の作業です。

 

完璧なゲートウェイ設置場所は多くなく、牧区によってはゲートウェイから牛が見えないような状況も発生します。通常はゲートウェイ設置後に必ず「信号調査」を行います。山の裏側などでもLoRa通信が有効か、LoRaトラッカーを持って歩きます。ここで要注意ですが、牛に装着する「うしみる」首輪は20-30分に一度データ送信を行います。それを信号調査に使用しては迅速な信号調査を行えません。弊社ではより小型のLT-501Hなどを携帯し、10秒ごとにデータを送信するようにして牧区を柵沿いに歩き回ります。木々の生い茂った場所、ゲートウェイが見えないような場所では、特に入念に調査を行います。

 

ここまでくればあとは牛の入牧を待ち、「うしみる」首輪を牛に取付けます。牛と端末を正しく紐づければ、順調に放牧シーズンが始まることとなります。