発情検知実験を続けています③

2024626日
 by ノルドマルク

 

放牧牛端末の電池問題を何とか解決し(発情検知実験を続けています①)、加速度センサーからのデータ量が十分であれば高精度で動態判別できる (発情検知実験を続けています②)ことがわかりました。端末にシゴトをさせて発情を検知するという方針も固まりました。

2023年春には発情検知対応の端末も準備でき、実際に放牧牛に装着し実験できることとなりました。アルゴリズムが正しいかどうか確認するためには二つの方法が頭に浮かびました。

 

①つなぎ飼い用の発情検知端末からくる通知と比較する

②牧場の担当者から各牛の発情日時を後日教えてもらう

 

①の方法ですが、つなぎ飼い牛用の発情検知端末は十分に高い精度で発情を検知できるということはわかっています。1頭の牛に「うしみる端末」とつなぎ飼い用端末の両方を取付けて、比較しつつ精度をあげていこうという考えです。たださまざまな限界も浮かびあがってきました。まずつなぎ飼い牛用端末は「うしみる」のように通信方式としてLoRaを採用しているわけではありません。牛舎に非常に近い場所などに制限して放し飼いするとしても、牛の行動範囲が著しく制限されます。牛の活動量も北海道の広大な牧場で活動する牛とは大きく異なるでしょう。また1頭の牛に二つの端末を取付けるため重量が増し、それぞれの端末が正しい位置から移動し加速度センサーの3軸ずれてしまうこともあります。

 

②は実験協力牧場にタイムリーに人工授精を行った日などご連絡いただく方法です。端末の発情検知アルゴリズムと実際の「正解」が合致しているか、試験の答え合わせをしているような心境が毎日続きます。

 


発情検知実験を続けています④に続く


発情検知実験を続けています①はこちら

発情検知実験を続けています②はこちら

 

 

発情検知実験を続けています②

2024619日
 by ノルドマルク

3軸加速度センサーによる 最初の一歩の実験 が終わりました。

3軸加速度センサーの十分なデータ量があれば牛の動態を高精度で判別できるということがわかりました。LoRa通信でのデータ送信量を少なくするために、3軸を合成軸などにするとすぐに精度は落ちてしまいます。人の背中に装着した加速度センサーなどとは異なり、牛の首では人の腕時計に内蔵された加速度センサー同様、オリエンテーション(軸の方向)が容易に変わってしまいます。つなぎ飼いの牛用端末は薄型で首上部に固定しやすいものが多いです。またつなぎ飼いなので動きも限られます。しかし放牧牛用端末ではGPSモジュールなども内蔵しているため厚みもあり、顎下に錘をつけても牛によっては端末が徐々に顎下の錘に近づいてくることがありました。首輪の形状などで物理的に解決しようとしてもなかなかうまくいきません。

 

当初は左画像のように首上で端末を固定していました。錘も必要でした。現在は錘なしで顎下に取付けています。電源ボタンは右耳よりにくるように取付けしています。この取付け方で同じような精度での発情検知を目指しています。

 

 

 

「うしみる」の発情検知では端末がシゴトをしてLoRa通信による制限を補っています。20分毎に位置情報を送信して、電池が長持ち(「うしみる首輪2号」では5年間)するためには、放牧牛に取付けた端末がシゴトをしなければなりません。具体的には端末自信が「あれっ?いつもよりこの牛、活動量が増えてきたな・・・。」と思い、ある基準を超えた時に自らアラートを発信しなければなりません。

 

発情検知実験を続けています➂に続く


発情検知実験を続けています①はこちら

 

 

 

発情検知実験を続けています①

2024612日
 by ノルドマルク

 

公共牧場への入牧もやっと終盤を迎え、発情検知の実験も準備が整ってきました。弊社では台湾のメーカーと協力して、北海道で3か所、九州で1か所、台湾で3か所の牧場で実験を行っています。

放牧牛端末開発にはいくつかの「越えなければならない壁」があります。まず大前提として端末は夏季放牧期間中電池がもたなければなりません。適正な送信間隔を維持しつつ、電池が6カ月間はもたなければなりません。公共牧場などではそうそう簡単に牛を捕まえて、首輪の付け替えなどできません。弊社の「うしみる首輪1号」は20分毎の送信間隔で約6カ月間電池がもちました。まあ「最低限の基準はクリアできた」というところです。それでも700頭近く放牧している牧場にとって、夏季放牧前の電池交換は大変な人手と時間を要しました。

 

次なる壁は端末の堅牢性です。弊社が実験をさせていただいている斉藤牧場は、開拓団が割り当てられた石だらけの山に切り開いた牧場です。牛の活動量は他の公共牧場とは比較にならないほど多く、牛は人の背丈ほどある笹の中や、谷の中を突き進んでいきます。端末は石にゴリゴリこすられたり、水飲み場では水没したりもします。そんな環境でも問題なく動作する端末でなければなりません。弊社では様々な環境の牧場で実験を続けることにより、より堅牢な「うしみる首輪2号」をリリースすることとなりました。

 

3つ目の大きな壁は牛舎から5㎞など遠くにいる牛の発情をどのように検知するかという点でした。「つなぎ飼い牛の発情検知システムはいくつもあるのに、放牧牛の発情検知システムはほとんど見かけない」というのは、「遠くにいる牛からのデータ送信の難しさ」に理由があります。発情検知には体温などによるものもありますが、加速度センサーを使ったものが多いです。LoRa方式では3軸加速度センサーのデータを、1秒間に10回送るというような用途には向きません。「では4Gなど使えばよいのでは?」という質問も承りますが、それでは端末の電池がもちません。とんでもなく大きな電池を内蔵した端末を牛にとりつけることになってしまいます。動態判別には大量にデータが必要となりますが、特殊なデータ圧縮技術を使い送信するという方法もあります。しかし弊社と台湾のメーカーでは「端末にシゴトをさせる」という途を選びました。ただその前にまずはイチから「加速度センサーによる動態判別」の実験をやらなければなりませんでした。

 

1. 通信機能なしの三軸加速度センサーロガーを放牧牛に取付け、データをログする

2. 同時に牛のビデオを撮り続ける

3. 持ち帰ったビデオを牛の動態(採食、反芻、横臥、歩行)に時間ごとに仕分ける

4. ログしたデータをある式にあてはめ、上記動態と比較を行う

 

データ取りは134時間程度何日も行います。「最初の一歩」の実験となりますが、まずまず3軸加速度センサーで牛の動態判別が高精度で行うことができるということが理解できました。

 


 

※発情検知実験を続けています②に続く

JAGRI(熊本)に出展しました

 2024年5月28日
by ノルドマルク

 

2024.5.22-24に熊本で開催された農業の展示会JAGRIに出展してきました。

昨年の開催が第一回の本展示会ですが、今年もグランメッセ熊本で開催されました。市内ホテルから会場まで12㎞程度ですが、TSMCの進出などで人口が増えている菊陽町方面で向かうので道路は大変渋滞しています。

弊社では放牧牛監視システム「うしみる」をメインで展示しました。弊社お客様で阿蘇に「うしみる首輪」をつけた放牧牛がいますので、お客様の許可をもらい会場でお見せしました。

 

 

JAGRI(熊本)に出展

気になるブースもあり説明をうかがいました。FARMOLoRa方式を採用した農地監視システムです。さまざまなエンドノードがありますが、価格も手ごろで、センサーはかなり売れているそうです。

 

 

 

 

 

JAGRI(熊本)に出展

SonyEltresSonyが基地局を設置するLPWA通信システムです。LoRaと異なり、基地局からかなり離れたエリアもカバーするようです。北海道でもためしていますが、自分の印象では人口3,000人以上程度の市町村は結構カバーしているように感じます。

 

 

 

 

 

JAGRI(熊本)に出展

 

熊本市は最近出張した台北と同じくらい暑いです。夜食事をしたときに「うどん居酒屋」を見つけました。私の住む旭川市ではこの組み合わせは見かけません。北海道では居酒屋でラーメンも出すというところは結構あります。以前東京新宿で「カレー居酒屋」をいう看板をかかげたお店をみたことがありますが、大変大きな衝撃を受けたことを記憶しています。

 

 

旭川北部でも入牧が始まります

2024522
by ノルドマルク

 

こちら旭川北部は旭川市内より降雪量が多いです。積雪の少なかった昨年より雪解けは1週間ほど遅れたようです。こちらの牧場は旭川北部の小高い丘の上にあり、北海道民の私でも「これが北海道だな」と感じるような景色が広がります。

この牧場にも5月最終週には80頭程度の牛が農家さんの手をはなれて入牧します。こちらの牧場では弊社の発情検知システムの実験にご協力いただいています。

つなぎ飼いの牛と異なり、放牧牛の発情検知には越えなければならない技術的ハードルがいくつかあります。そのため放牧牛の発情検知に参入している会社は世界的にも多くはありません。少しのデータをできるだけ遠くまで飛ばすLoRa通信環境下においては、三軸加速度センサーの三軸それぞれの値を1秒間に10回飛ばすようなことは容易ではありません。弊社ではその膨大なデータを圧縮技術の力技でデータをサーバーに送るのではなく、首輪につけてある端末に「シゴトをさせる」ことによって、発情を検知できるようなシステムを開発しています。肉牛、乳牛、放牧地の起伏などによっても牛の活動量は異なります。弊社ではそれぞれの環境において、異なるタイプの牛の発情を検知できるよう柔軟なアルゴリズムを開発中です。

 

 

この広々としたさわやかな牧場に牛たちが入ってくる日が待ち遠しい今日この頃です!

放牧シーズンがやってきました!

2024年5月8日
by ノルドマルク

 

今年も放牧シーズンがやってきました。今日は弊社近くにある  斉藤牧場で、ゲートウェイ設置と首輪の取付けを行ってきました。斉藤牧場は大変ユニークな牧場で東京ドーム28個分の広大な草地に50頭の牛を放牧しています。牛たちは笹や木々の間をたくましく闊歩し、岩に頭をこすりつけるなど他の公共牧場の牛とは明らかに異なる行動パターンが発現します。

 

まずはゲートウェイを取付けます。ゲートウェイは4G通信が可能な、できるだけ高い開けた場所に取り付けます。牛たちは4G通信不可エリアも歩きますが、ゲートウェイと「うしみる」首輪をLoRa方式で通信しています。ソーラーパネルで給電します。冬の間もゲートウェイ設置の骨組みは残したままにしてあります。

 

牛たちは早朝4時頃と午後3時頃牛舎に戻ります。戻ってこない牛はスマホで位置情報確認、その場所に行き牛舎へ誘導します。

夏季放牧開始のため首輪を牛舎内でつながれた牛に取付けます。位置情報送信間隔は20分で、新型首輪は5年程度使用可能です。

首輪を取付けられた牛たちは順次、広大な草地に戻っていきます。

 

「うしみる」アプリですぐに位置を確認することができました。

 

今年は若齢の牛も多く、今日のように気温がまだ5℃以下の日には牛舎にとめ置かれます。

 

斉藤さんのお話では、日に2回牛を牛舎に追い込む際、毎回スマホで牛たちの位置を確認するそうです。数頭戻ってこない牛がいるケースも多く、位置情報を頼りに捜索すると牛が転倒して動けなくなっていることもあったとのことです。

 

「北海道公共牧場職員春期研修会」に出席しました

2024年4月15日
by かんちゃん

 

みなさんこんにちは。

北海道公共牧場会の研修会(札幌)で、弊社の放牧牛管理システム「うしみる」と、分娩事故防止ライブカメラについて発表を行いました。

 

弊社は去年も発表させていただいています。

https://www.trackers.jp/topic/?p=1160

 

私は初参加だったのですが、全道の牧場の方や酪農関係者が集まっており、情報交換会も行われるため、とても有意義だったと感じています。

発表させていただいた内容について、改めてこちらでご紹介したいと思います。

 


■放牧牛管理システム「うしみる」

インターネットに接続できれば、牛の位置を確認できるシステムです。「うしみる首輪」自体は携帯電波圏外でも問題ありません。設置の段取りとして、ゲートウェイを携帯電波が有効な小高い場所に設置する必要があります。取り付け講習や信号調査を行うこともあります。

 


■分娩事故防止ライブカメラ

赤外線で動作する自動撮影カメラで、カメラの前を人や動物が通ったときのみ反応して、画像や動画を撮影します。携帯電話を使用するため、Wi-Fiカメラのように、牛舎と自宅の距離に制限がありません。間もなく発売予定です。

 


弊社のシステムについて、ご不明な点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください!

退牧シーズンがやってきました

2023年10月26日
by ノルドマルク

 

こちら北海道では放牧牛の退牧のシーズンがやってきました!
北海道各地の公共牧場で退牧作業が行われています。こちらの旭川市営牧場の放牧地には、もう牛は1頭も残っていません。5月の入牧時に旭川近郊から運ばれてきた牛たちは、約6カ月間の期間をこの広くて起伏の大きな牧場で過ごし、たくましくなった体で生産者のもとへ帰っていきました。広大な放牧地に牛が全くいない状態でのゲートウェイなどかたづけ作業は、少し寂しくもあります。

弊社では近隣の斉藤牧場、旭川市営牧場の2牧場と契約し、さまざまな実験を行っております。今年は「新うしみる首輪」のリリースに伴い、電池のもちや首輪の牛への取付具合の確認、端末に予期せぬ挙動がないかなど確認を行いました。これから来年の入牧時期までは実験で気になった部分などを修正し、よりよい製品に仕上げていきたい所存です。

旭川地区でも入牧が続いています

2023年6月12日
by ノルドマルク

 放牧牛管理システム「うしみる」

雪解けの遅い旭川北部の江丹別地区でも、入牧が本格化してきました。この時期旭川地区はまだ肌寒い日も多いですが、この「うしみる」首輪取付け日は快晴に恵まれ、夏の訪れを感じさせる一日となりました。各農家から入牧してきた牛たちは、朝から首輪装着の為、一か所に集められています。

放牧牛管理システム「うしみる」

パドックに集められた牛たちは、1頭ずつ追い込み柵に誘導されます。そこで耳標と端末番号を記録し、牛に負担がないように、また端末位置がずれないような適度な「きつさ」で首輪が装着されます。追い込み柵に誘導された牛は、不安でパニック状態になる場合もあります。こちら江丹別の牧場では作業の方々がやさしく牛に話しかけ、牛の不安を取り除こうとされていました。

放牧牛管理システム「うしみる」

首輪の装着を終えた牛たちは、さわやかな青空のもと広々とした放牧地に放たれていきました。

 

いよいよ夏季放牧が始まります!

2023年5月19日 
by ノルドマルク

 

雪解けの遅い旭川北部の牧場にも、牛たちの入牧の季節がやってきました。5月末の入牧に向けて、牧場作業の方々は柵の補修など放牧場の準備のため、忙しく作業をされています。

弊社ではこちらの牧場に、LoRaゲートウェイを設置してきました。本年11月まで70頭の放牧牛をモニタリングする予定です。

弊社の放牧牛管理ステム「うしみる」をご利用いただく場合、機器をお送りしてすぐに「じゃあ始めましょう」ということにはなりません。まず第一歩は牧区割図などをいただき、Google Earthなどで遮蔽物や標高なども考え、どこにLoRaゲートウェイを設置するか、机上でだいたいの「あたり」をつけます。電源は取れないとしても、まずはLTE電波が届くエリアで「あたり」をつけます。牛>ゲートウェイはLoRa通信ですが、ゲートウェイ>サーバーはLTE通信でデータを転送します。

おおよそ「あたり」をつけたら、下見に行きそこから放牧されるであろう牛たちまで、視通線が取れそうかどうかまず考えます。電源が取れない場合、ソーラーパネルが木々に遮閉されないかなどにも注意を払います。「ここでよさそう」となって、初めて機材持込の日時などを決めます。

 

作業当日は単管を打ち込み、骨組みを作りチャージントローラーなど雨に弱そうなパーツなどはケースに収納します。現場にもよりますが、ここまで2時間程度の作業です。

 

完璧なゲートウェイ設置場所は多くなく、牧区によってはゲートウェイから牛が見えないような状況も発生します。通常はゲートウェイ設置後に必ず「信号調査」を行います。山の裏側などでもLoRa通信が有効か、LoRaトラッカーを持って歩きます。ここで要注意ですが、牛に装着する「うしみる」首輪は20-30分に一度データ送信を行います。それを信号調査に使用しては迅速な信号調査を行えません。弊社ではより小型のLT-501Hなどを携帯し、10秒ごとにデータを送信するようにして牧区を柵沿いに歩き回ります。木々の生い茂った場所、ゲートウェイが見えないような場所では、特に入念に調査を行います。

 

ここまでくればあとは牛の入牧を待ち、「うしみる」首輪を牛に取付けます。牛と端末を正しく紐づければ、順調に放牧シーズンが始まることとなります。

 

 

九州農業WEEKに出展します

2023年5月12日  
by ノルドマルク 

 

北海道東川町からはるばる熊本市で開催される「農業WEEK」に出展してきます。

弊社の展示は「放牧牛監視システム『うしみる』」になります。2019年より「うしみる」を販売してきましたが、最大の悩みは「電池もち」でした。大前提として夏季放牧期間である5月から11月くらいまではバッテリーがもたなければなりません。現状 LT-501RH では、送信間隔20分でこの条件をクリアしています。しかし北海道の公共牧場では700頭弱くらいの牛に「うしみる首輪」を装着しています。これだけの数のバッテリーを翌期に交換するのは、お客様にとり大きな負担となっていました。またお客様によるネジ締めの力加減が適切でなく、ケース破損や浸水などという問題もたまに発生していました。

 

本年この問題を解決した製品をやっとリリースきることになりました。電池交換無しに5年間バッテリーがもつLT-520Pという製品です。保護等級IP69Kで、防水ケースも不要です。ATEX/IECEx防爆安全基準にも対応しています。バッテリーの再充電はできません。使い切りとなりますが、送信間隔20分で夏季放牧であれば5年間は電池がもちます。

 

 

農業WEEKではこの製品を展示しますのでお時間ありましたら、是非お立ち寄りください。

 

 

 

 


・展示会名:  第1回 九州農業WEEK1st AGRI WEEK KYUSHU)

・公式サイト  www.agriexpo-week.jp/kyushu

※会場案内図(pdf)はこちらから

・開催日 :   2023524日(水)~526日(金)

・会 場 :  グランメッセ熊本

・展示コーナー: 【畜産資材EXPO】Dホール 4-94  


Netvox社(台南市)を訪問してきました

2023年4月28日  
by ノルドマルク 

 

コロナが落ち着きやっと海外に出張できるようになりました。今回はLoRa製品で取引きの多い、台湾のメーカー数社を訪問してきました。札幌から台北行きのLCCタイガーエアーはこの時期往復39,000円弱と、東京出張と変わらない値ごろ感です。

 

訪問したのは、LoRa対応センサーで200以上もの製品をリリースしているNetvox社です。Netvox社はエリア人口180万超の台南市にあります。1995年設立ですが、6年ほど前からLoRa製品にほぼ完全シフトし売上げを伸ばしている会社で、工場は厦門にあります。業務分けは厦門で製造、ファームウェア・ソフトウェア開発、台南はAIを利用した開発行っているとの事。

特筆するはNetvoxのビジネスモデルです。多品種少量販売で、コアユーザー数社が特定モデルを大量購入しているようです。そう聞くと多品種開発に大きな投資が必要かと考えますが、実際少ない種類の通信ジュール、アンテナ、筐体で、センサーの種類だけ変え、効率的に開発を行っているようです。

今年に入り複数のセンサーをつなぎ、LoRa通信でデータ送信できる端末をリリースしました。Netvox社の製品は屋内用途のセンサーが多く、弊社で取り扱う水質センサーや農業用センサーなど、本格的な屋外用センサーをLoRa通信で送ることができるような製品はありません。スマートビルディング向けの製品が多いです。モデル数が多いので、メーカーも売れ筋の数モデルしか在庫しておらず、納期が2週間から6週間かかります。6週間かかるようなケースは、大量注文があり工場が忙しい時期となります。どういう時期に大量注文発生するかわからないので、正確な納期がなかなか答えにくいメーカーではあります。

 

今回の海外出張でうかつだったのは、「日本に帰る際に航空会社で、ワクチン接種証明の提示を求められる」ということを知らなかったことでした。台湾も旅行緩和したため、事前調査をさぼっていました。「接種証明アプリ⇒マイナンバーカード読み取りで証明書発行」で何とか事なきを得ました。

 

電子マネーマニアとして、以下の情報を共有しておきます。

 

セブンイレブン・・・Appl Pay利用可

ファミリーマート・・・Apple Pay不可

台北駅コインロッカー・・・Line Pay利用可 ただしクレジットカードとの紐づけ要

台鉄台南駅・・・Apple Pay利用可

台北市内MRT・・・悠遊カード(Suicaのようなカードで発行費がかかる)は使えるが

クレジットカード、Apple Payなどは見つけられず、ちょっとした高額紙幣も使用不可。

悠遊カードがないと不便。

桃園空港線・・・悠遊カード(Suicaのようなカードで発行費がかかる)は使えるが

クレジットカード、Apple Payなどは見つけられず、ちょっとした高額紙幣も使用不可。

悠遊カードがないと不便。

桃園空港内自販機・・・Line Pay利用可

 

ちなみに私は国内ではLine Payはまったく使ったことがなく、今回の出張のためにわざわざクレジットカードとの紐づけを行いました。

 

弊社では中国のメーカーとの取引きが多く、次回出張に電子マネーをどうするか悩み中です。銀聯クレジットカードを作ってみましたが、現地でクレジットカードを使っている人少なく、ほぼ支付宝と微信支付というスマホ決済が主流らしいです。日本でもダウンロード、登録できるようですが、抵抗感のある人も多いのか、中国出張者むけに決済用のスマホを貸出すサービスもあるようです。銀聯デビットカードは口座からの直接引き落としで、使い勝手が良いとの話を聞きました。そこで国内で発行可能ということで、中国K銀行の東京支店に行きました。受付の女性に発行してもらいたい旨伝えましたが、あからさまに「いやそうな」対応でした。まず口座を中国K銀行にもっていなければいけないということと、審査もあるという話でした。受付の人の対応では、申請しても相当時間と手間がかかると判断した次第です。引き続き調査し実際に中国出張した時にまた報告いたします。

 

「北海道公共牧場職員春季研修会」で発表してきました

2023年4月10日  
by ノルドマルク 

北海道公共牧場職員春季研修会

 

北海道公共牧場会 の研修会(札幌)で、弊社の放牧牛管理システム「うしみる」について発表を行いました。

北海道公共牧場会は北海道での酪農振興を主な目的とし、肉牛、乳牛に関わる公共牧場間の情報交換等を目的としています。公共牧場は以前全国に1,200ほどありましたが、現在は700程度でかなり減少したようです。飼料価格高騰などで公共牧場の運営も大変ご苦労されているようです。

今回の研修会における講師の方のお話の中で、牧草の話は特に興味深いものでした。長く伸びすぎた牧草は栄養がなくなり、短草になれるということが重要であるということを再認識しました。「ちょうどよい伸び具合」ではダメで、早めに採食させることが重要と講師の方は強調されていました。また講習の中で再度放牧の意義についても説明を聞くことができました。

 

―放牧のメリット

・強靭な身体を作る

・糞尿を肥料化させることができる

・衛生環境を高めることができる

・土壌の改善

・低コスト

 

―デメリット

・牛の怪我の可能性

・馴致が必要となる

・気象条件などよみきれない変動要素がある

・移動にお金がかかる

 

またニュージーランドの事例でha当たりの適正な頭数についてもお話がありました。弊社「うしみる」では、任意に作成したエリアに牛が現在何頭いるか確認できる機能はあります。データを再利用することにより、ヒートマップを作製することもできます。「うしみる」の中に、それが標準機能として組込むことができればよいなと考えています。

 

日本草地学会札幌大会で発表してきました

2023年4月3日
by ノルドマルク

328日(火)札幌で開催された日本草地学会で弊社の放牧牛管理システム「うしみる」についての発表を行いました。日本草地学会は草地農業の発展に寄与するため、草地および飼料作物に関する学術の進歩と知識の普及をはかるための学会です。

https://grasslandscience.jpn.org/ (日本草地学会サイト)

 

本年は札幌で大会が行われ、「スマート放牧監視の現状と課題」について企画集会が開かれました。弊社も「うしみる」についての発表をいたしました。すでに昨年度「うしみる」をご使用いただいた、熊本県草地畜産研究所、島根県畜産技術センター、農研機構西日本農研のご担当から実証例、活用例について発表がありました。発表の中に製造側としての「気づき」がたくさんありました。

 

・霧だけではなく、草の中で牛が見えないような環境で特定の牛をさがすのに有効

・放牧地が大きい方が「うしみる」使用で時間削減が期待できそう

・泥沼などにはまって動けない牛の救出に有効

・離島での放牧での事故率は弊社思うより高かった

・若い牛ほど予期せぬ事故に気をつける必要ある

 

「うしみる」アプリで改修した方がよいポイントについても、意見をお聞きすることができました。これまで放牧牛用端末の毎年の電池交換が、酪農家様の大きな負担となっていました。弊社では20分間隔、夏季放牧で5年間利用可能な省電力「うしみる首輪」を開発いたしました。

 

【うしみるプレゼンテーションファイル】

斉藤牧場で放牧期間が終了しました

2022年11月16日
by ノルドマルク

 

雪虫も飛び始め、こちら旭川近郊も朝の寒さが厳しくなってきました。他の公共牧場様同様、弊社が実験で利用させていただいている 斉藤牧場 でも、牛の放牧期間が終了し機器の撤収に行ってまいりました。

斉藤牧場ではできるだけ自然を残した山地で、牛たちにとり自由度の高い形で放牧を行っています。牛たちは早朝に自ら牛舎に戻り搾乳を受け、また自ら草地に戻り草を食み、横臥しまた夕方には牛舎に戻りす。旭川市も雪がちらつくようになり、牛たちは4月上旬まで、長い冬を牛舎で過ごすようになります。

 

弊社では斉藤牧場の約25頭の牛に「うしみる」首輪を装着し実験に協力いただいています。本年度は牛舎にビーコンを取付け、牛たちが牛舎に戻りビーコンと紐づいた時に牛が戻ってきたことがわかるような機能の実験をしました。九州南部の島々などで自由放牧をされているような農家さんには役に立つ機能と思います。また加速度センサーによる発情検知の実験を行い、3軸加速度センサーで行動量が著しく上昇した際にアラートが来るよう仕組みを実験しています。牛舎飼いの牛と異なり、放牧牛では携帯電波の無いような3-4km離れた場所においても、牛のデータがゲートウェイに届かなければなりません。離れた場所から3軸加速度データ10Hzなどの生データをそのまま送信し、6カ月間以上電池が持つような、牛に装着できるような端末を開発することはできません。実際の牧場で使えるようにするためにはさまざまな「工夫」が必要となってきます。

 

 牛たちの退牧シーズンを迎え、弊社では現在「うしみる」をご利用いただいている農家さん、JA様、研究機関の方々にアドバイスをいただくために聞き取りをさせていただいております。来年度さらに「うしみる」を使いやすくすることができ、放牧業にいくばくかの貢献ができれば幸甚です。

 

 

 

「うしみる」レンタル受付中!

2022年4月5日
by ノルドマルク

 

冬の長い北海道でもやっと春を迎え、公共牧場などへの入牧時期が迫っています。本日は「購入」ではなくレンタル方式のメリットについて書いてみることにします。

レンタルやリースのメリットというと、まず頭に浮かぶのは、

・一度に多額の購入資金を用意する必要がない

・減価償却など煩雑な事務手続きがいらない

 という点です。しかし我々が全国の牧場とやりとりさせていただいて、見えてきたレンタルならではのメリットがあります。

 

1. 最新のシステムをお貸出しできる

弊社が2019年に「うしみる」開発を始めてから現在まで、今まで3種類の首輪(端末)の開発にたずさわってきました。防水性、頑丈さ、端末の挙動(ファームウェア)について数か月実験して初めてわかることも多いものです。放牧牛管理の難しさは製品を改良したからと言って、牛にすぐ取付けられるものでもないという点です。広大な草地に放たれた数百頭の牛の中から、弊社の都合で任意のタイミングで牛の首輪を交換できるものでもありません。

レンタル方式のメリットは、レンタル時に最新のシステムを受け取ることができるという点です(レンタルですので「新品」ということではありません)。弊社が日々経験した課題により、改良を施した「その時点で最良であろう」システムをお渡しすることができます。過去には酪農家の方からのアドバイスで首輪の素材自体を変えたということもあり、レンタル品はそういったアドバイスも反映した最新のシステムと言えます。

 

2. メンテナンス不良によるトラブルを回避できる

電池式の端末では(上図右)では、経費削減の観点からお客様ご自身電池を交換される場合があります。ネジ締めトルクの問題で浸水が発生したり、逆に締め付けが強すぎてネジ部を破損してしまったケースがありました。弊社ではネジ締め時の注意事項などもご案内していますが、頭数が多い場合には複数名で作業を行うことにより、ネジ締め手順が一律でなくなる可能性もあります。レンタル方式では弊社で電池交換、首輪のメンテナンスを行います。お客様は不安なく、新年度の入牧時期をむかえることができます。レンタル方式は夏季放牧、周年放牧対応ですが電池式は20分毎の送信間隔で、6-7カ月間の動作期間となります。周年放牧においては7カ月目を目途に電池挿入済みの代替首輪をお送りいたします。

 

3.初期設定済み、通信費込

レンタル方式では初期設定済みで、毎月の通信費も含まれたシステムをお貸出しいたします。お客様がゲートウェイ用にSIMカードの契約、支払いを行う必要はありません。ゲートウェイを設置し、首輪を牛に取り付けるとすぐに「うしみる」アプリで牛を監視できる状態でシステムお貸出しをいたします。ゲートウェイの設置場所が充分に首輪と通信ができそうな見通しと距離にあるかどうかという点と、ソーラーパネルでの給電が必要かなどはレンタル申込時に打合せが必要となります。

斉藤牧場で感じるアニマルウェルフェア

2021年7月26日
by ノルドマルク

 

弊社は旭川市の斉藤牧場 で放牧牛システム「うしみる」に関わる実験をさせていただいています。ここは「人と牛が協力し、山々を守るための牧場」ということで、様々な牛の自然な行動を観察することが可能です。今回は斉藤牧場における放牧とアニマルウェルフェアとの関係について考察してみました。

 

日本も加盟する国際獣疫事務局(OIE)においてアニマルウェルフェアは以下のように定義されています。

①飢え、渇き及び栄養不良からの自由

②恐怖及び苦悩からの自由

③物理的、熱の不快さからの自由

④苦痛、傷害及び疾病からの自由

⑤通常の行動様式を発現する自由

 

 1.運動

(クリックで拡大)

斉藤牧場で放牧牛にGPSロガーを装着し、1.5日の移動距離(10分間隔)を調べたところ、かなり険しい山を9.2kmも移動していました。ここで初めて牛の行動観察を行った時に、まず牛の足腰の強さに驚かされました。険しい笹薮の中をどんどん突き進んでいく牛たちに、こちらもついていくのがやっとの状態です。ここの牛たちは自分の行きたい場所に行き、食べたいものを選び口にするという自然な行動様式を発現しています。これだけ毎日歩いているのですから、屋内飼育牛とは、蹄の状態などもちがっているのではと容易に想像がつきます。肥育牛にとって運動は生産性の観点からデメリットになるかもしれません。しかし歩き回ることにより牛が健康を維持できるということは酪農家にとっても大きなメリットです。

 

2.採食

加速度センサーを牛の首に装着すると、牛が強い力で草を舌で巻き取っている様子がわかります。牛は本来、舌で強烈に草を巻き取って草地を食べすすんでいく動物です。牛の成長には濃厚飼料も必要ですが、斉藤牧場では牛が自分のカラダと相談しながら食べたいものを選択してるようです。険しく細い沢に水を求めて牛が分け入っていく光景もよく見かけます。こちら旭川も今年は高温で草があまり育たず、代わりに牛が笹を食べることになり、そのため乳量が落ちることがあるようです。

 

3.自然な行動

広大な牧草地では虫なども牛によってきますが、背中にとまった虫を顔や尻尾で追い払うのも、ある意味「刺激」で牛にとって自然な行動発現なのかもしれません。

斉藤牧場では牧場内に木々や岩などがあり、牛は木に首や背中を擦り付けてかゆいところをかいています。時には細い木の枝に眼の周りを擦り付けかいています。「眼にささるのでは?」と見ているこちらも気が気でありません。しかし牛の方は慣れたもので顎の部分を岩にすりつけたりするなど、自由に身づくろいをしています。牛舎にもカウブラシなどを設置しているのをよく見かけますが、斉藤牧場の牛たちは自然にあるものを利用して体調を整えているようです。

 

斉藤牧場ではある牛が別の牛に顔の周りをなめてもらっているのをよく見かけます。ソーシャルグルーミングともよばれる親愛行動ですが、複雑な牛群ネットワークを維持するための行動であるとする文献も見かけます。

 

牛たちは猛暑日には日陰に入り休息し、大雨の時には木の下で雨をしのいでいます。

こちらの斉藤牧場では牛たちが場所、食べ物などを自分たちで選択しながら日々を過ごしています。ヒトにとってアニマルウェルフェアと生産性を両立するのは大変難しい課題かもしれません。しかしこちらの牧場で、子牛が人になでられながら山を下りてくる姿を見ると、斉藤牧場の牛たちの「幸福度」はかなり高いのではないかと想像しています。

 

放牧牛管理システム「うしみる」にソーラー給電機が便利すぎる!

2021年5月19日
やんぴん

 

今年から手軽に始められる月額制も始め、お問い合わせを多数いただいております放牧牛管理システム「うしみる」にソーラー給電機が登場しました。

 

「うしみる」はうしみる首輪を装着した牛からLoRa※でゲートウェイ(中継機)にデータを送信します。そのデータはゲートウェイから4G等のインターネット回線を通して送られ、「うしみる」アプリ画面に表示されます。スマホでも見れます。

※LoRaはLPWA(Low Power Wide Area)という、省電力で広いエリアをカバーするコンセプトの無線通信規格の一つです。

 

放牧地は携帯電波圏外エリアの場合があります。LoRaなので牛さん自体は圏外をウロウロしていても全然問題はないです。

しかしゲートウェイはそうではありません。しかも首輪からより受信しやすいように、できれば高い場所に設置したいです。事務所が高台にありインターネット完備!なんてことはなかなかありません。折角なのでベストな場所に設置したいですよね。

 

そこで登場したのがソーラー給電機です。

これさえあればゲートウェイ設置問題は大体解決します。

「事務所の屋根にゲートウェイを付けても見通しがイマイチ…」

「ここに設置できればいいんだけど、電源がない…」

「電源あって見通しも良さそうだけど、この場所は圏外だ…」

なんて嘆きを解決します。

ゲートウェイにとって最適な「見通しが良く高い場所」は、日当たりが良いことが多いので、電源の心配は無用です。また、山の中腹では携帯圏外でも頂上付近は電波がある!?なんてこともあるのです。

 

ゲートウェイ設置場所に悩んだり、このエリアは一部データが届かなくても仕方がないか、と諦める必要はありません。お値段も手頃だと思います。ご検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

→ 放牧牛管理システム「うしみる」詳細ページはこちら

 

ThingsBoard でトラッカーの位置情報を表示する

2021年03月15日
by RAMBO

 

前回のMetabaseによるデータ可視化に続いて、今回はTnigsBoardを紹介します。

ThingsBoardとは、オープンソースのIoTプラットフォームで、データを収集し、可視化できます。
一般的な可視化ツールと違い、データベースをシステム内に持ち、そこにデータが保管されるため、データベース設計が不要となります。

サンプルとして位置情報を取得し、OpenStreetMap上へプロットされるダッシュボードを作成してみます。

Amazon EC2 上に構築したThingsBoard Community Edition を使用しています。

 


1. ログイン

ブラウザでThingsBoardのURLにアクセスし、ログインします。

 

2. デバイスの追加

左側メニューから[デバイス]を選択します。
「デバイス」の画面が表示されます。
[+]をクリックし、表示されるリストから[新しいデバイスを追加する]を選択します。

「新しいデバイスを追加する」ダイアログが表示されます。
デバイスの名称を入力し、[追加]をクリックします。

デバイスが登録されます。

をクリックします。

「デバイス資格情報」ダイアログが表示されます。
アクセストークンをメモし、[キャンセル]でダイアログを閉じます。

3. データの送信

ThingsBoard の REST API を使用してデータを送信します。
今回は実際のデバイスではなく、Windows PCからの curl コマンドでデータを送信してみます。

緯度・経度と温度を送ってみます。
送信するデータは次のJSONです。


{
"latitude": 43.692332,
"longitude": 142.513703,
"temperature": 35
}

送信する curl コマンドは次になります。

「XXX.XXX.XXX.XXX」はIPアドレス、「PPPP」はポート番号、「AAAAAAAAAAAAAAAAAAA」はデバイスのアクセストークンに置き換えてください。


curl --request POST --header "Content-Type:application/json"  --data "{\"latitude\": 43.692332, \"longitude\": 142.513703, \"temperature\": 35}" http://XXX.XXX.XXX.XXX:PPPP/api/v1/AAAAAAAAAAAAAAAAAAA/telemetry

ThingsBoard の「デバイス」画面で、追加したデバイスをクリックします。
表示される「デバイスの詳細」画面で、[最新テレメトリ]をクリックします。

上記 curl コマンドを実行すると、最新テレメトリにデータが表示されます。

4. ダッシュボードの作成

左側メニューから[ダッシュボード]を選択します。
「ダッシュボード」の画面が表示されます。
[+]をクリックし、表示されるリストから[新しいダッシュボードを作成…]を選択します。

「ダッシュボードを追加」ダイアログが表示されます。
タイトルを入力し、[追加]をクリックします。

ダッシュボードが登録されます。

をクリックします。

空のダッシュボードが表示されます。
右下の編集アイコンをクリックします。

エンティティエイリアスアイコンをクリックします。

「エンティティエイリアス」ダイアログが表示されます。
[エイリアスを追加する]をクリックします。

「エイリアスを追加する」ダイアログが表示されます。
下記のように設定します。

設定したら、[追加]をクリックします。

「エンティティエイリアス」ダイアログに戻ります。
[セーブ]をクリックします。

 

[+ 新しいウィジェットを追加]をクリックします。

「ウィジェットを選択」画面が表示されます。
現在のバンドルで Maps を選択し、
時系列から Route Map – OpenStreetMap を選択します。

「ウィジェットを追加」ダイアログが表示されます。
[データ]でデータソースを追加し、[追加]をクリックします。

ダッシュボードの編集画面に戻ります。
作成したMapのウィジェットが表示されるので、curl コマンドでデータを送信してみます。
マーカーがプロットされることを確認し、保存アイコンをクリックします。

以上でサンプル作成については終了です。

今回はMap上にマーカーをプロットしましたが、他にもいろいろな可視化用ウィジェットが用意されています。 リアルタイムにデータを確認する用途ではなかなか使えるのではないでしょうか。

 

Metabaseによるデータ可視化

2021年03月08日
by RAMBO

 

センサーからのデータは、WEBサイトにグラフなどを用い見やすいレイアウトで表示したいのではないでしょうか。
スクラッチ開発や、市販のBIツール等のパッケージ導入だと費用対効果が悪いというケースもあると思います。
そこで今回、Metabase という、OSSのデータ可視化ツールをご紹介します。
なお、この記事ではMetabaseのバージョン0.38.1を元に作成しています。

Metabaseは、下記の記載する様々なデータソースに保存されたデータを可視化(グラフや表)できます。

  • Amazon Redshift
  • BigQuery
  • Druid
  • Google Analytics
  • H2
  • MongoDB
  • MySQL
  • PostgreSQL
  • Presto
  • Snowflake
  • Spark SQL
  • SQL Server
  • SQLite

では、実際にサンプルをご紹介します。

構成

デモ用に構築したシステムの構成図は下記になります。

 

TBSL1からpHセンサー溶存酸素センサーのデータをKerlink iStation 923 SPNが受信、HTTPSでサーバーへ転送する構成になっています。この構成を模倣したプログラムを作成し、ランダムな値をクラウド側システムに送信しています。
API Gatewayにて受信したJSONデータをLambdaへ渡し、センサー値を取り出したのち、EC2上に構築したデータベースへ保存するようになっています。

Metabaseでの設定

Metabase(こちらもEC2上に構築)からデータベースに接続することで、テーブルを参照できます。

 

【ビジュアライゼーション】から、グラフやゲージ等の表現方法を選ぶことができます。

 

 

作成したパーツ(グラフ、表、ゲージ)を組み合わせてダッシュボードを作成することができます。ダッシュボードは特定の間隔でリロードできるようになっています。

 

以上、簡単にMetabaseを紹介させていただきました。
弊社では、このようなOSSを使ったシステム構築も行っておりますので、ご要望がありましたらご連絡ください。